【クーバー・コーチングの哲学】

 

クーバー・コーチングの哲学それは「個人」を育てること。

1970年代、オランダの偉大なコーチ、ウィール・クーバーは個人のサッカー技術を向上させ、チームが
より良い攻撃をできるようになることを目指して、新しいサッカー指導方法を開発しました。
かつては、スーパー・プレーヤーというのは天性の才能があるために、普通のプレーヤーよりも卓越し
た技術を持っているのだというのが一般的な認識でした。

ウィール・クーバーは偉大なプレーヤー達の動きをスローモーション・ビデオで分析した結果、彼らの
一つ一つの動きやコントロール技術は、分解して殆どのプレーヤーにも教えることができるのだという
結論に達しました。そこで考え出されたのがクーバー・コーチングのメソッドです。

1985
年、アルフレッド・ガルスティアンとチャーリー・クックが加わることにより、クーバー・コーチ
ングはスクールのネットワークや教材を通じて、世界で最も信頼される指導法となりました。
 偉大なプレーヤー達の動きの分析から始まって、攻撃的なサッカーの全要素を包括するシステムにま
で発達したのです。この指導法は、世界中の多くの有名なプレーヤーやコーチに支持されています。

 

世界レベルを学ぶことが未来のサッカーを面白くする。

「クーバー・コーチングは何が特別なのでしょうか?また世界中のトップ・コーチやプレーヤーたちが
なぜクーバー・コーチングを利用しているのでしょうか?」

アルフレッド・ガルスティアンはこう説明します。私は15年前にウィール・クーバーに初めて会ったと
きから、このプログラムがプレーヤーとコーチの両方をエキサイトさせ、発奮させるであろうことを確
信して取り組んできました。クーバー・コーチングはとても楽しくて挑戦的です。コーチやプレイヤー
に対して確実に、基本的な技術を向上させるための多くの体の動きを教えてくれます。

日本でもクーバー・コーチングによって、若いプレーヤーの開発に堅実に取り組んできた結果、将来の
スーパースターたちが数多く育っています。 このように、我々のプログラムを通じてこのスポーツを
向上させ、サッカーを楽しくさせたのは、何千人もの子供達で、私は彼らのすべてを誇りに思っています。

私は5歳から15歳までは学習の「ゴールデンエイジ」だと思っています。若いプレーヤー達はこの時期
に、もっとも熟練したコーチのもとで指導を受けるべきです。プレーヤー個人の技術を向上させ、発奮
させることのできるコーチにすべてを託すべきだと思います。

個人の技術の向上はゲームの他の全ての部分にかかわる基礎である、ということにクーバー・コーチン
グ・プログラムは焦点を合わせています。年齢の若いこの時期に、特定の戦術的な指導はそれほど重要
ではなく、逆に若いプレーヤー達はミニゲームを繰り返すことによって、最も戦術的な状況を自然に体
得してゆきます。

この「ゴールデンエイジ」には勝つことよりも、さらに技術の向上をさせることのほうが重要です。く
どいようですが、この時期にはそのことを受け入れることのできる度量のあるコーチが必要なのです。

サッカーの世界にはピラミッド構造があります。頂点はプロのゲームで、底辺は草の根(子供のサッカ
ー)です。最も優秀なコーチ、最も良い施設、潤沢な資金・資源は頂点に集中し、それに対し底辺には
ほとんど廻ってきません。「ゴールデンエイジ」が重要であり、プレーヤーたちは初期から最高の指導を
受けるべきであるということ。将来より良いプレーヤーを育成するためには、現在のサッカーを取巻く
環境がいかに理想からほど遠いかが理解できると思います。イギリスのユース育成アカデミーに多くの
トップ・プロ・チームが競って注目しているのは、このことを明確に証明しているといえます。